新型コロナウイルス感染症(COVID-19)心理支援事業のお知らせ


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るい、緊急事態宣言が出されました。この状況に際し、KIPP 災害対策委員会は、有限会社ケーアイピーピーと連携し、緊急支援事業を開始いたします。支援事業の中心は、無料の心理相談です。新型コロナウイルスの影響によって生じている様々な心理的な悩みに対する相談を、KIPP 心理オフィスに関わる臨床心理士・公認心理師が、無料で受け付けます。

 

毎日新聞(2020年5月2日)で、本支援事業についてご紹介いただきました。

https://mainichi.jp/articles/20200502/ddl/k27/040/256000c

 「花届け人・京都」について

2011年、東日本大震災が発生してから、私たちは同じようにボランティアグループを結成し、被災地域への心理支援を行いました。私たちが、主に支援に当たった地域は、福島県の会津地域といわき地域でした。会津地域では、避難所において「男の料理教室」というイベントを定期的に開催し、一人きりになりやすい単身男性を中心にお声をかけ、料理を楽しみながら会話をする機会を設けました。いわき地域では、仮設住宅や借り上げ住宅にお住まいの方々を、町の保健師さんとともに訪問し、心理的な相談を受けるという活動を続けました。

 

遠方からの訪問であったため、訪問のペースは月1回、2-3日滞在という程度でしたが、少しずつ避難者の皆様とのつながりができはじめ、わずかながらもお役に立てたのではないかと思います。また、支援活動の専門性を高めるために、京都においては頻繁にミーティングを開き、効果的な支援のあり方について検討を行いました。当時に培った知見は、今回の支援活動にも行かせるのではないかと考えております。

 

私たちは、心理的な悩みを抱える方への継続的なカウンセリングを仕事としている臨床心理士、公認心理師のグループです。新型コロナウィルスの感染拡大という事態を受け、日頃培った知識と技術を緊急支援の活動に生かすことはできないかと考え、ボランティア活動を開始しました。

お受けできるのはワンポイントの相談ですので、できることは限られていますが、以下のような貢献はできるのではないかと考えています。

 

① 悩みを一人で抱えるのではなく、話したり、伝えたりしていただくことで、心の負担を軽くする。

② ストレスを受ける中で、ついつい自分に厳しくなり、自分を追い詰める心の動きがないかチェックし、それを緩めるための助言をする。

③ 悩みの内容によって、どのような社会的な資源が役に立ちそうか、情報を提供する。

 

私たちは、守秘をはじめとするカウンセラーの倫理基準に従って行動します。その一方で、助言や情報提供に当たっては、グループ内で互いに助言し合いながら、その質を高めるように努力します。また、活動に必要かつ有用な知識を、外部から積極的に取り入れるように勤めます。そのために、毎週定期的にミーティングを続けています。

悩みの軽重に関係なく、気軽にご連絡をいただければ幸いです。

 

相談を受ける場所

私たちの活動は、有料のカウンセリングルームを経営する有限会社ケーアイピーピーの協力を得て行っています。ただし、オフィス勤務の事務スタッフもテレワークが余儀なくされています。電話による相談が集中すると、オフィス業務が滞る可能性があるため、できればメールでご連絡をいただければと考えています。相談にあたるカウンセラーは、分散して各自の仕事場におりますが、いただいたメールに対応できる者が、なるべく早く相談を開始できるようにシステムを工夫しております。メールの返信よりも、電話での対応を望まれる方は、電話番号、時間帯などお書きいただければ、こちらからお電話をいたします。

 

相談申込方法

相談は基本的にメールでお申し込みいただきます。相談したい内容、現在抱えている状況をお書きいただき、KIPP 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)心理支援チーム「花届人 2020」(hanatodokebito2020@gmail.com)宛にお送りください。いただいた相談内容について、この支援事業に関わる臨床心理士・公認心理師がお返事を書きます。相談内容の解決に向けて、参考になるような知識、助言、情報等を提供できるように努力します。相談内容が複雑であることなどから、電話やビデオ通話での対応を希望される方は、ご希望の相談方法と、その相談が可能な時間帯を付記して下さい。

 

この支援事業の相談は、本格的なカウンセリングとは異なりますが、ワンポイントのやりとりで、少しでも気持ちを前向きにしていただけるよう、努力したいと思っております。相談内容には様々なものがあると思いますが、例えば、以下のようなものがあるかもしれません。

 

1.ウイルスの影響で先行きが見えず、不安に陥っている。

2.感染防止、あるいは医療活動の中で疲弊し、前向きになれない。

3.社会的環境の変化のなかで、家族関係が難しくなっている。

4.せっかく入学した学校で授業を受けることができず、やる気がなくなっている。

 

心理支援が目的ですので、経済や法律に関するお問い合わせにはお答えできませんが、一見、経済や法律の問題に見えても、心理的な悩みや気持ちの問題であると感じられる場合には、遠慮なくご相談ください。

 

私たちは、2011 年東日本大震災のあと、「花届け人・京都」というボランティア団体を立ち上げ、継続的に福島県の心理支援を続けました。震災と感染症では、災害の性質に違いがありますが、福島での支援活動で学んだ事柄は、今回にも生かすことができるのではないかと考えております。特に、相談対応の質を上げるために、専門家同士の情報交換や相互学習が重要であるという点は身にしみています。皆様の相談に真摯に向き合えるよう、チームとして対応に当たりたいと思っておりますので、お一人で悩むのではなく、気軽にこの支援活動を利用いただければ幸いです。

 

2020 年 4 月

KIPP 災害対策委員会委員長 川畑 直人(教育学博士・臨床心理士・公認心理師)