2019年度KIPP対人関係精神分析セミナー


ごあいさつ


 陽春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。日頃よりKIPP 対人関係精神分析セミナーに温かなご支援とご理解をいただき、厚く御礼を申し上げます。今年度で本セミナーは16年目を迎えました。これまで本セミナーを支えてきてくださった参加者の皆様、そして講師の先生方に感謝を申し上げます。今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 さて、今年度のセミナーは、鑪幹八郎先生と松本寿弥先生によって翻訳された『クリニカル・エリクソン』出版記念セミナーから始まります。エリクソンの発達論は、人間発達の基礎理論として世界的に有名ですが、その臨床については公にされてきませんでした。著書と本講義を通じて、理論の背景にあるエリクソンの精神分析に基づいた臨床的態度を理解する貴重な機会となるでしょう。さらに、鈴木健一先生と小池哲子先生により翻訳された『夢のフロンティア』の臨床セミナーが続きます。ホワイト研究所のアナリストであるブレッシュナー先生による、対人関係学派の夢分析の視点、ユングや神経学といった夢に関する膨大な知識と経験をベースにした渾身の著作です。夢の世界の持つ魅力に惹きこまれ、読み手のイメージが活性化されることは、クライエントの夢を多面的に理解する際の大きな助けとなるでしょう。

 

 秋からのKIPPセミナーでは、「関係論的発達論」をテーマに4回の講義を行います。精神分析的心理療法においてクライエントの発達史の多面的かつ理論的理解はセラピーの中核となる部分です。発達史をどのように聞くか、どのように理解をして見立てにつなげるか、といった点を様々な角度から集中的に検討します。そしてそれは、関係性を紡ぐことが難しいクライエントとのセラピーにどのように役立てることができるかという点にまで触れていきます。一連のセミナーは、皆様の明日からの臨床にダイレクトに生かすことができる学びとなるでしょう。本セミナーの特徴は、講師と参加者が対人関係精神分析的な相互交流を体験的に学び、日常の言葉で立体的な議論を重ねることで、実践力向上の機会を提供することです。是非この機会をご活用いただければ幸いです。

 

 本セミナーでの学びが、複雑で、時に困難な日々の臨床現場に寄与することを願っております。多くの皆様にご参加いただけますよう、心よりお待ち申し上げております。なお、本セミナーは臨床心理士の研修ポイントとして申請する予定です。

京都精神分析心理療法研究所

所長  横井 公一