⑥2019年1月27日(日)

防衛・抵抗とその介入

講師:鑪 幹八郎



精神分析の実施は寝椅子と自由連想、そして解釈が3本柱であった。自由連想がスムーズに進まないクライエントに気づいて、抵抗と呼んだ。

自由連想をしない、出来ない、避けたがるというのが、「抵抗」である。

フロイトは『精神分析入門』(1939)の中の第19講でそのことを説明している。

その講義の後半に「転移」を抵抗として捉えていことが述べられている。この考えは最近まで引き継がれてきた。

メニンガーは『精神分析技法論』の中で「抵抗の章」を設けて論じている。

ここでは、自我心理学を背景に、自我の防衛と抵抗として捉えている。

やがて、「アクティング・アウト」や「エナクトメント」も含めて、治療の抵抗というより、

治療関係の力動の中での困難な問題として取り扱われるようになった。

これは「治療抵抗」treatment resistanceとして検討されている。最近は、治療関係のヒア・アンド・ナウの関わりの主題として扱われている。

治療的な介入は抵抗の見方によって違っている。

ここでは、これらの知見を背景に、対人関係精神分析の立場から、防衛や抵抗のワークスルーについて考えてみたい。

 

★参考テキスト

・Freud, S. (1917):Introductory Lectures of Psychoanalysis (1916-1917) /新宮一成・高田珠樹・須藤訓任・道籏泰三訳 (2000) 精神分析入門講義第19講『フロイト全集15』岩波書店

・Menninger, K. (1958):Theory of Psychoanalytic Technique. Basic Books, N.Y./小此木啓吾他訳(1969)『精神分析技法論』岩崎学術出版

・Sullivan, H. S. (1954): Psychiatric Interview./中井久夫他訳 (1986)

『精神医学的面接』 みすず書房

・Singer, E. (1965): Key Concepts in Psychotherapy./鑪幹八郎・一丸藤太郎監訳 (1976) 『心理療法の鍵概念』誠信書房