⑨2019年3月10日(日)  『自己開示』

心の陥穽自己開示の必然性:トゥー・パーソンの視点から

講師:杉原 保史



心理療法のプロセスを、単にクライエントの中から発展してくるものとしてではなく、

クライエントとセラピストとの円環的な相互作用から生み出されるものとして捉えるトゥー・パーソンの視点を、単なる理論的な概念に留めず、

実践されるべきものとして捉えるなら、セラピストの自己開示は禁止されるべきものではないばかりか、

許容されるべきものでさえなく、必然的なものと見なされると思います。

ポール・ワクテルの循環的心理力動論の考え方と、ダイアナ・フォーシャのAEDP(加速化体験力動療法)の考え方を紹介しつつ、

自己開示について実践的に考えてみたいと思います。

 

★参考テキスト

・Wachtel,P.L.(2011) Therapeutic Communication, 2nd Edition: Knowing What to Say When. The Guilford Press.(杉原保史訳(2014)心理療法家の言葉の技術:治療的コミュニケーションをひらく 金剛出版)

・Fosha,D. (2000) The transforming power of affect: A model for accelerated change. (岩壁茂他監訳(2017)人を育む愛着と感情の力:AEDPによる感情変容の理論と実践 福村出版)

自己開示の現代的意義

講師:岡野 憲一郎



「自己開示」は精神分析家たちにとっては古くて新しい問題だ。

フロイトの「匿名性の原則」以来、いまだに分析家たちにとっては論争の種である。

現代的な「自己開示」の議論は、治療者がいかに自己を用い、提供するかというテーマと結びつきつつ進化を遂げている。

当日は「自己開示」をめぐる歴史に触れつつ、この概念の現代的な意義について論じたい。

 

★参考テキスト

・岡野憲一郎編著(2016)『臨床場面での自己開示と倫理―関係精神分析の展開』岩崎学術出版社